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【第3回】

マイクロプラスチックを避けて暮らすには? 今日からできる5つのヒント


前回の記事では、マイクロプラスチックが私たちの体に入り込み、血管の炎症や動脈硬化、脳卒中リスクにまで影響している可能性があることをご紹介しました。

今回は、「それなら私たちはどうすればいいの?」という疑問にお応えして、日常生活の中でマイクロプラスチックとの接触を減らすための工夫をお届けします。

「ちょっと面倒くさそう…」と思う方もいるかもしれませんが、少し意識を変えるだけで、リスクはぐんと減らせます


◆ ヒント①:ペットボトル飲料より、水道水+浄水器を

最近の研究によれば、ペットボトル1本あたり平均240,000個以上のマイクロプラスチックが含まれていたという報告もあります(Columbia University, 2024)。

これは、ボトル本体の素材やキャップの摩耗、製造過程などに由来するものです。
ペットボトルを完全にやめるのは難しくても、家庭では浄水器を使って水道水を飲むことで、摂取量を大きく減らせます。

💡おすすめ:ステンレスやガラス製の水筒を持ち歩くとさらに安心。


◆ ヒント②:プラスチック包装の食品を選ばない

スーパーで売られている食品の多くは、プラスチックで個包装されています。これが問題なのは、包装の一部が食品に微細な粒子として移ってしまうことがあるからです(加熱調理や電子レンジで特に起こりやすい)。

たとえば…

  • プラスチック容器のままレンジで加熱しない
  • 野菜や果物はバラで買う・布袋を使う
  • お惣菜は自前の容器(タッパーやガラス容器)で持ち帰る

こうした積み重ねが、長い目で見て健康を守ることにつながります。


◆ ヒント③:衣類の素材にも注目してみる

マイクロプラスチックは「食べ物」や「飲み水」からだけでなく、空気中にも含まれていることが分かっています。
その大きな原因が「化学繊維の衣類」です。洗濯のたびにポリエステルやナイロンから繊維くず(マイクロファイバー)が流れ出し、空気や水に拡散しています。

そこでおすすめなのが、

  • 綿、麻、ウールなどの天然素材の衣類を選ぶこと
  • 洗濯には**マイクロファイバーキャッチャー(洗濯ネットやボール)**を活用すること

ちょっとした選択で、自分だけでなく環境への負担も減らせます


◆ ヒント④:電子レンジや加熱には「ガラス・陶器」を使う

プラスチック容器を電子レンジで加熱すると、素材が劣化してマイクロプラスチックが発生しやすくなるという報告があります(WHO, 2019)。

安全性を考えるなら、

  • ガラス製の耐熱容器
  • 陶器の食器
  • ホウロウの保存容器

など、自然素材や熱に強い素材を選びましょう。健康への意識が高い人たちは、すでに当たり前のように取り入れている習慣です。


◆ ヒント⑤:外食時やテイクアウトでも「プラ断ち」の意識を

外食やテイクアウトでは、どうしてもプラスチック容器やストローが多く使われます。でも、ここでも選択肢はあります。

たとえば:

  • お弁当はマイ容器を使えるお店を探す
  • 「スプーン・ストロー不要」と伝える
  • サラダやデザートは店内で食べる・紙容器の店を選ぶ

全部を変えなくても、「できるところだけ」取り入れてみるのがコツです。


◆ 無理せず続けるのが一番のポイント

完璧を目指す必要はありません。でも、今日の買い物でひとつだけ意識してみたり、水筒を持ち歩いてみたりするだけでも、確実に自分の体への負担は減っていきます

「環境のため」にもなりますが、それ以上に「自分自身の健康を守る選択」であることを、ぜひ心に留めてください。


🌿 まとめポイント

  • ペットボトルの代わりに浄水器+水筒を活用
  • 食品包装や調理容器はできるだけ自然素材に
  • 衣類の素材・洗濯方法もマイクロプラスチック対策に
  • 外食時にも「ちょっとだけ意識」を取り入れて
  • 無理なく、長く、続けられることが大切

🔍 参考文献

  1. Scientific Reports (2024)
     ”Microplastics in bottled water: Quantification and chemical identification”
     → https://www.nature.com/articles/s41598-024-51246-6
  2. WHO(世界保健機関) 2019年報告書
     「Drinking-water and microplastics」
     → https://www.who.int/publications/i/item/9789241516198
  3. 環境省:マイクロプラスチックの環境調査報告(2023)
     → https://www.env.go.jp/

次回(第4回)では、「体内に入ったマイクロプラスチックはどうなるのか?」という視点で、分解・蓄積・排出のメカニズムについてやさしく解説します。

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