からだの健康

血圧が高い日と低い日がある人へ

「高い時だけ薬」は本当に正解?

「今日は血圧が180…」
「でも別の日は130くらい」

こんなふうに血圧が高い日と低い日があると、
多くの方がこんな疑問を持ちます。

  • 薬は毎日飲まないといけないの?
  • 高い時だけ飲めばいいんじゃない?
  • 下がる日もあるのに、飲み続けて大丈夫?

実はこの疑問、とても自然です。
そして同時に、間違えやすいポイントでもあります。


血圧は「一定」ではなく、毎日ゆらいでいる

血圧は、体と心の状態によって大きく変動します。

血圧が上がりやすいタイミング

  • 朝起きた直後(早朝高血圧)
  • 緊張・不安・ストレスが強い時
  • 病院で測った時(白衣高血圧)
  • 測定条件が毎回違う時
  • 自律神経が乱れやすい時期(更年期・高齢者)

つまり、
「たまに180が出る」こと自体は珍しくありません。

ただし――
👉 高い血圧を放置していい、という意味ではありません。


「血圧が高い時だけ薬を飲む」は正解?

結論から言うと

自己判断で「高い時だけ薬を飲む」ことはおすすめできません。

理由は、血圧の動き方にあります。


なぜ「高い時だけ服薬」が危険なのか

血圧は階段のように一定ではなく、
波のように上下しています。

そのため、

  • 高い時だけ薬を飲む
  • 血圧が急に下がる
  • めまい・ふらつき・転倒の原因になる
  • 薬の効果が切れると反動でまた上がる

という悪循環が起こりやすくなります。

特に高齢の方では、
👉 転倒や脳・心臓への負担が問題になります。


降圧薬の本当の役割

多くの方が誤解していますが、
降圧薬の目的はこうです。

❌ 今高い血圧を一気に下げる
⭕ 血圧が上がりすぎない状態を安定して保つ

そのため、一般的には

  • 毎日
  • 決まった時間に
  • 血圧が高くなくても

継続して飲む設計になっています。


血圧の変動が大きい人に使われやすい薬の考え方

個人差はありますが、医療現場では

  • 血圧をゆるやかに安定させる
  • 1日を通して効き目が続く
  • 心臓・腎臓・脳を守る効果が期待できる

といった視点で薬が選ばれます。

👉 「急に下げる薬」より
👉 **「安定させる薬」**が重視されます。


例外はあるの?

あります。

  • 医師が**頓服(必要時使用)**として指示した場合
  • 家庭血圧を詳細に記録し、調整している場合

ただしこれは、
必ず医師の指示がある場合のみです。

👉 自分の判断で
「今日は高いから飲む」「今日はやめておこう」
は避けましょう。


まずやるべき、いちばん大切なこと

家庭血圧を正しく測り、記録する

  • 朝:起床後1時間以内・トイレ後・服薬前
  • 夜:就寝前
  • 椅子に座り、1〜2分安静
  • 1回でなく2回測定

記録を見るポイント

  • 180はいつ出る?(朝・夜・緊張時など)
  • 普段の平均値は?
  • 下の血圧(拡張期)はどうか?

この記録が、
薬が必要かどうか、どう調整するかの判断材料になります。


すぐ受診を考えたいサイン

  • 血圧の高い日が何度もある
  • 頭痛・胸の痛み・息切れ・しびれがある
  • 朝だけ極端に高い状態が続く

👉 「様子見」で済ませないでください。


まとめ

  • 血圧が高い日と低い日がある人は多い
  • 「高い時だけ薬」は基本的に正解ではない
  • 降圧薬は血圧を安定させるためのもの
  • 家庭血圧の記録がとても重要
  • 血圧の高い日が続くなら、一度は必ず相談を
Kenko

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